異文化に対する寛容さ

自転車もスケートボードもモーターサイクルも、国外のすごい有名YouTuberが日本へ来て、法律を無視してストリートでトリックキメまくって、「日本はサイコーな場所だぜ」という言葉を残してそのまま捕まらずに帰っていく――そしてその動画が本国の視聴者には好評な――のを見ると、複雑な気持ちになる。もちろん日本国内にも恥知らずならずものはたくさん住んでるけど。

でも、ストリートスポーツの類は、本質的にそういうアウトロー、アウトサイダーのものだから、ルールや法律なんてない、好き勝手やるって精神性に基づいているから、ちゃんとしなさいって言うのがそもそも筋違いなのではないか。そういう文化でさえも尊重し、寛容であるべきなのではないか。そういう思いが過ぎる。はぐれものから礼儀正しさに基づいて居場所を奪うことは正当化されるのだろうか。

似たようなことを Trainsurfer たちの動画を見て考えたことを思い出した。ここで言う train surfing とは貨車に忍び込んで移動することを指す。YouTubeには10万人100万人単位の登録者がいるチャンネルが存在する。時に国境をも越える彼らの移動は非合法なものだ。にもかかわらず、彼らはクラウドファンディングを通じて資金を獲得し続けている。イラストレータたちが唐突にアカウントを終了されたプラットフォームでだ。

これらのバランスを取った見解が存在しうるとは私には思えない。強いて言うなら、「法律は破ってもいいが、道徳を守らないものは許せない」だろうか。これも想像でしかないが。文化の壁、思考体系の壁というのは、私が想像する以上に高く、その天辺は暗い雲に隠れ窺い知ることができない。

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