道の上を走るために
結局のところ、日本の道路交通は四輪車と歩行者、あとはせいぜいシティサイクルや原付のためのものだ。
実用性のことを考えたら、ろくに駐車する場所も見つけられない二輪車に乗るのなんかやめてしまえばいい。それが世の中の大多数の選択なんだ。合理的選択ってやつだよ。二輪車用の駐車場を作る作らないなんてのは、限られた土地を有効活用するための費用便益分析の結果で決まるものだ。フリーライダーを排除し、土地から得られる利益を最適化するために、コインパーキングが主流となったことも影響している。明確に四輪車だけ、自転車だけと区分けされたために、どちらにも当てはまらない存在には場所がなくなる。しかし、責任範囲を明確にすることは現代社会において必要不可欠な正しいプロセスだ。トラブルが起きた時に責任を引き受けられないものは、最初から受け入れない。それがまっとうな在り方だ。別に政府や誰かが団結して排除しようとしたわけじゃない。
何より、客を選ぶ自由が店の側にはある。世の中は自由契約が大原則なのだから、二輪車に乗ってくるようなやつは客じゃないって啖呵を切る契約の自由が店の側にはある。それで誰かが不便を被るとしても、それは彼ら自身の選択のせいなのだから、文句を言う筋合いはない。多様性がない方が効率的なのだから、その秩序を乱すからには、相応のコストを支払わなければならない。生まれつきでないマイノリティは、自ら選んでそうなったのだから、自分で責任を取って、不便だろうと高くつこうと、それを受け入れなければならない。この悔しい思いもまた、自己責任だ。