大型二輪教習は運転の練習におすすめ

教習課程の半分を過ぎ、大自二免許取得のために自動車学校へ通い始めて何か変わったことがあったかを振り返る。素直に「あった」と私は答える。自分の250ccに乗る時でも乗るのが上手くなったと思う。これはサーキットでタイムが早くなったとか、峠で膝すりできるようになったとか、そういうレベルではなく、むしろ普通のライダーのレベルに少しだけ近づけたという方がはるかに適切だ。私は普自二の教習ですらスラロームが苦手で、そのために一時限オーバーしている。そんな人間が走らせるものだから、いかに軽量で扱いやすい車両に乗っているとはいえ、山道やカーブではスローペースで後ろの車に迷惑をかけること必至だった。が、しかし、そんな姑息策も大型自動二輪では通用しない。なにせCB400SFと比べても20kg近く重いのである。そんな車体をハンドルだけで操作しようと思っても無駄な足掻きである。必然的に、ハンドルを支える腕から力を抜き、荷重移動で曲がるという、教科書的な操作を身体に覚え込ませなければならない。もちろんそれは、普通二輪でも身につけているべきことではあるのだが、短い教習期間でその重要性を認識するのはすべての人にとって容易なことではない。少なくとも私はそれを身につけていなかったのは間違いない。それを矯正する機会として、大型教習は非常に上手く働いたと思う。また、今回もスラロームに苦戦する私に、教官からのアドバイスや、前段階としてのエクササイズをしてもらえたことも大きい。スロットルをパッと開く練習、片手運転でも加速を支えられるくらいのしっかりとしたニーグリップ、目線やコースどり、などなど。実はまだ目標タイムを切れる率はあまり高くないのだけど、それでも多少は上手くなってきているのがわかる。これだけのレッスンで十万円もしない、さらには大型二輪免許までおまけについてくるのは、むしろ割安だと言えるだろう。ちなみに。大型二輪車に乗った感想は、それこそ最初に乗った時は股の下で振動するエンジンの迫力に圧倒され、こんなパワーを果たして扱い切れるのだろうか、こんな重い車体をどうやって操ればいい、というものだった。が、日が経つにつれ、エンジンはむしろ低回転からトルクがあることで扱いやすいと感じ、車体の重さも少なくとも走っている間はあまり気にならなくなった。もちろん、教習仕様のNC750Lは250ccパラツイン程度の出力に抑えられているというのも事実であるが——とはいえ、教習所の狭いコースを走る限りでは、高回転型のCB400SFもパワーを出せる回転数まで回すことは難しいのだから、大型二輪のトルクが活きるのも事実。これが公道走行になったらどうなるのか。それはわからない。結論としては、普通自動二輪免許を取った人が、運転技術向上を目的として大型自動二輪教習へ通うのはアリだってこと。弊害があるとしたら、大型二輪への乗り換え、買い増しを考えてしまうこと、くらいだろうか。

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