富士通のキーボードと1000年生きたい
少数派だとはわかっているが、私はメンブレンキーボードが好きだ。次点でパンタグラフキーボード。かつて所有していたREALFORCEは手放してしまったし、メカニカルキーボードは持ったことがない。
その中でも最も好きなのはかつての富士通のPCに付属したキーボードだ。中でも富士通コンポーネント製、いわゆる高見沢のものに限る。世間一般では名機と名高いNMB製も所有しているが、打鍵時の快楽と引き換えに指が疲れてくるキーボード、というのが私の印象だ。富士通高見沢のキーボードに対する第一印象は、お世辞にも芳しいものとは言えないものになるかもしれない。地味で安っぽいデザイン、へにゃへにゃで浅いストローク。だけど、使い続けるとこのキーボードの良さがわかる。力を入れずに打つことができるので疲れないのだ。
しかしながら、2024年現在において、富士通コンポーネント製のキーボードを入手することはやや難しい。最もありうる手段は、FMV-KB321を中古で手に入れることだ。テンキー付きの109キーボードで、ヤフオクやメルカリ、あるいはハードオフの青箱の中を探せばいくつか見つけられるはずだ。だが、PS/2接続だし、状態が悪いものも多い。バリエーションとして、東芝や日立ブランドでOEMされたものがあるのであわせて探す手もある。
次はテンキー付きのコンパクトキーボードを探すこと。型番としてはFKB8811、日立ブランドのPC-KB4751、PC-KB4760、PC-KB4760、NECブランドのN8170-18、N8170-21などが挙げられる。これらのキーボードの利点はなんと言ってもUSB接続ができることだろう。逆に、少しでも109キーボードの標準的配列から外れたものが嫌ならば、候補から外さざるを得ない。更に、テンキーレスのFKB8769も存在する。こちらもUSB接続であり、変換器に煩わされずに済む。しかし、当然テンキーはないし、品数も少ないように見える。ドリキャス用としても販売されていたらしい。
僕のこと覚えてる?ドリキャスにも採用のOEM向け富士通製キーボード店頭販売開始 - エルミタージュ秋葉原
最後に、高見沢キーボードを見分ける手がかりを記す。N860から始まる品番を持ち、かつ ステップスカルプチャを実現するために裏面に細長い溝が複数存在することだ。このヤフオク検索結果がわかりやすいだろうか。ここでキーワードを把握してから状態の良いものを探すのが良いだろう。ただし、上述の条件に当てはまるものであっても、異なる打鍵感を持つモデルがあるので、その点には留意が必要だ。リベルタッチや日立PC-KB5400などがその例にあたる。
逆に、富士通ブランドであること、N860から始まる品番を持つことだけでは判定基準として働かない。