不誠実だとヌケない
「お前現実の有様がこうなのになんで好かれると思ってんの? 誰にも求められてないのに?」
という声を内面化している人物が「相手が都合よく自分のことを好いてくれる」妄想を保つことは難しい。相手の意志が介在しない、相手の意に沿わない、暴力で強制する形で構築する関係しか想像できないというのは、社会正義の影響が間接的にはあるにせよ、基本的には個人の味覚の話ということでいいと思う。純愛じゃないと抜けない人がいるように、本編やキャラクタに誠実じゃないと抜けない人もいる。無理やり従わせることが好きなのではなく、無理やり作る関係しか リアル を感じられない。
「相手からの好意を仮定してはならない」
「明示的に示されない限り合意は成立していない」
「お前には魅力や価値がない」
「お前らは加害する側の存在だ」
「誠実 でない読み方を受け入れない」
「自分にとって身近でない、想像しがたい状況では楽しめない」
このような要請、評価、意志が合わさって、相手からの好意がある状況のフィクションを楽しめない者が生まれるのかもしれない。「このキャラクタが自分と知り合う」都合のいい妄想は許容するとしても「自分のことを魅力的だととらえるはずがない」「それは都合がいい以上にキャラクタを捻じ曲げている」と考えることは、そんなにおかしいことだとは思わない。俺TUEEEなオリキャラ二次創作やMary Sueが嫌いなことと大した差はない。