砲台の跡を見に行った

東京湾に砲台の跡がいくつか存在することは有名だが、その中でも三浦半島にある剱崎の砲台跡を見に行った。

三浦半島の西側からR134でアプローチ。江ノ島を過ぎ、R467が分岐して、鎌高前の手前から混み出すのはいつものこと。稲村ヶ崎の切り通しや飯島トンネルから伊勢山トンネルにかけての線形から、ここがかつて有料道路だったことを想起する。そのあとは山沿いと海沿いを行ったり来たり。

武山駐屯地を過ぎたあたりから ふつう のロードサイドサイドという光景が広がる。この辺りは鉄道空白地帯で、京急に乗るために東か南へ出るしかない。行き交う車は高齢者が運転するものも多く、数年後の、もしくは今現在でも、住人たちの交通はどうするんだろうということを嫌でも考えてしまう。丘の上に公共施設と一体化した大きなスーパーがあった。宮ヶ瀬の方にも自治体の要請を受けて出店したドラッグストアがあるし、郊外においては、単純な損益だけ考えるとライフラインすら維持できない状況がひたひたと近づいているのを感じる。ワークマンも数店舗見かけた。工場が多いわけでもないのに何でと思ったけど、よく考えたら農業や漁業の従事者はワークマンのターゲットど真ん中だった。

県道26号、県道215号を乗り継いで目的地に辿り着く。結論としては四輪車で見に行かない方がいい。県道から外れた途端に、どう考えても幅員が狭すぎる農道を走ることになる。こんなところ自動車が走ることは可能なのか? と思うも、道幅ギリギリのところに轍がある。軽トラなら通れるし、軽トラしか通らない、ということなのだろう。砲台跡は言ってしまえばただの丸い穴(しかもゴミがたくさん捨てられている)で、実際のところ、砲台跡そのものよりも周囲の環境の方に圧倒された。海に程近いにもかかわらず起伏が激しく、その斜面を除くほぼ全てが田畑として利用されている。このような土地を見た経験があまりない。

身近にこんな興味深い地形があるのだなという感動を覚えながら帰った。