SPDペダルの導入

過去の記事でも言及している通り、そもそも、ロードバイクの文化と相容れないと思うことは多い。ヘルメットはみんなつけている割に肌は露出しているし、ミラーは全員がつけているとは言えないし、水分補給で走行中の片手運転もする。それに対する私の見解は、ロードバイクが属する文化圏においてその参加者は開かれた公道上で陸上競技を行っている。ロードバイクとは速さや距離への挑戦であり、なにより自分自身の能力に対する挑戦なのだ。果たしてそれを公道でやっていいのか。クローズドなサーキットで行うべき競技なのではないか。例えば、いくら休憩込みの時間であり、かつ競技ではなくイベントなのだ、といったところで、数十時間を15km/hで走り続けることの達成がある種の勲章として機能している状況は、果たして路上交通の安全文化と相反していないものなのか、とか。いや、モータサイクルにもSSTRをはじめとする公道ラリーがあるんだけど。

私自身はフラットペダル派で、なぜかというと他の交通が存在する公道でビンディングペダルを運用することに抵抗があったからだ。リアミラーつけてるしビンディングは使わずにフラットペダルだしなるべく長袖で乗るようにしている。そんな私が、重い腰を上げてビンディングペダルの導入を検討した。きっかけは、使っていたフラットペダル(MKS Sylvan Stream Next Ezy Superior)にクオータークリップでもつけるかと調べたところで、そこまでするなら諦めてビンディング導入したほうが良くない!? と思ったから。それより先にちゃんとした服で乗れと、ツッコまれるかもしれないけど。

ペダルはシマノの両面SPD PD-M520を選んだ。理由は、このチャンネル何度かオススメされていたから。SPD-SLは走りに特化しすぎていて、ロードバイクを部分的にでも移動手段であるとみなしている私にとって、目的地での移動を支障するくらいなら選ばない選択肢だった。ひとまずはリリーステンションを最低に設定。更に、当面は片面にDixnaのフラットクリートを装着。ただし、常にフラット面が下を向くのでかなり使いづらい。SPDでいくと決めたらそのうち外すことになると思う。

シューズは、最初はGIROのランブルVRを買えばいいと思っていたのだけど、最近ラインナップを整理したらしく、通販含め私のサイズは在庫切れだった。結局、シマノのEX500と悩んでNorthwaveのRockitにした。ランブルVRと同じビブラムソール採用なのが決め手だった。ケチってBOAライクなダイヤル式のRockit Plusにはせず、シューレース仕様にSalomonのクイックレースキットを組みつけた。こっちのほうが安くて汎用性があるし修理しやすいから。これもまたロックの部分が壊れるらしいけど、壊れたら他の製品を試すか、コードロックだけ手芸用品店で探すか、あるいは元のシューレースに戻すかのどれかだ。クリートはマルチモードを別途買って取り付けた。

運用を始めて、引き足を使えている、ような気がするけど、その感覚が、本当に発揮するパワーに繋がっているとは限らない。ちゃんとしたシューズとペダルを選べば、フラットペダルでも踏面にテンションかけていれば引けるからパワーロスは小さくなる、はずだ。少なくとも体感ほどには改善してなさそう、と思う。ただし、足に常にペダルへ押し付ける力を発揮しなくていいこと、踏面にテンションをかける分の力を抜いていられることはビンディングの明確な利点とは言える。あとは足の位置、ひいては乗車姿勢を固定できることと、足を踏み外す心配がない事もいいことかな。それが総合的にどう影響するかというと、わからん。

ところで、SPDとSPD-SLの比較において、後者は踏面が大きいため伝達効率が良いという主張がなされるが、これはほんとうだろうか。靴底の柔軟性の要素は無視できないほど大きいのだろうか。力が逃げるといったところで、ロスになるのは靴を変形させる分しかないのだから、それで大差がつくようには思えない。そう考えると、ロードバイクのシューズ/ペダルってどのビンディングシステムを使うか以前に、クリップレスだろうがフラットペダルだろうがプロ競技レベルでもなければなんでも大差ないということにならないか。そうはならないからこそ、トップ層からホビーライダまでみんな大きなクリートのクリップレスを使ってる。使ってないのはお前だけ。はい。

疲れている時ほど外し忘れ、外し損ねが生じるのがリスク。走り始めて元気な時ならともかく、疲れて集中が切れてるときほど外してなくて「はわわ! ご主人様!!」ってなりがち。

ビンディングシューズはクリートが接地するので、普通の靴と全く同じ歩行感覚というわけにはいかない。たとえそれが歩けると言われているモデルであってもだ。フラットシューズはソールが薄く固くて疲れると感じていたが、あれがどれだけ普通に歩けていたかを実感する。これで歩けるにカウントされるなら、更にレース志向のSPD、ましてやクリートの大きなSPD-SLなんて、いったいどうなってしまうんだ。

微妙な危険の増大と引き換えに、微妙な利益を得た、というのが現時点での感想。言うほど危険でもなければ、言われるほど必須とも思えない。まあ、これもまたホビーライダの中でも最下層の貧脚が言うことだから。

Posted by squeuei, licensed under CC BY 4.0 except where otherwise noted.