シティサイクル一巡り

導入

シティサイクル——あるいは軽快車、実用車、ママチャリ——というのは日本だけに残った特殊な形だと思っていたのだけど、案外そうでもないらしい。このような自転車の原型はイギリスのロードスターで、この系譜の自転車は日本以外でもネーデルラントを中心にUtility bicycle - Wikipediaとして今でもたくさん走っているらしい。変速なしか内装変速で、フェンダーやリアキャリアは車軸と共締め。スカート巻き込み防止のガードもついてるし、チェーンもフルカバー、バルブは英式で、馬蹄鍵もついてる。そもそも、Omafietsはgrandma bikeという意味らしく、完全にママチャリである。

私は西洋かぶれなので、以前シングルスピードのピストバイクが欲しいなんていってたことをすっかり忘れて一転、シティサイクルが欲しい! という状態になってしまったのでした。一時期シェアサイクルを多用していたけど色々気に入らないところがあってコレジャナイなと。

要件

以前の要件から自分が何が欲しいのかを整理してみた。想定するユースケースは「5km程度の範囲にあるスーパーやドラッグストア、ホームセンターまでの買い物」「ヘルメット以外は何も準備もせずに深夜に24時間営業の店までふらっと行けるようにする」。

項目 要求 Pros Cons
フレーム材質 スチール 耐久性向上 重量増
フレーム形状 スタッガード 乗り降りのしやすさ、剛性大 選択肢減
変速機 内装3段 “変速なし:スプロケット交換不可の場合がある
外装変速:物理的衝撃に強い”
重量増、整備性悪化、カバレッジ低(対外装変速)
駆動系 カートリッジBB 整備性向上 なし
駆動系 チェーンドライブ 部品入手性、選択肢多 要メンテナンス
タイヤ 27インチ 26インチHE規格が望ましいが妥協 なし
ブレーキ 後輪:ローラーブレーキ 静粛性向上 なし
灯火 ハブダイナモ 充電不要 明るさ
装備 フルフェンダー 全天候性 重量増、ハブ軸共締めによる整備性悪化
装備 ハーフチェーンガード 着る服を選ばない 重量増
装備 フロントバスケット シティサイクルを買うなら必須 重量増、ハブ軸共締めによる整備性悪化
装備 リアキャリア シティサイクルを買うなら必須 重量増、ハブ軸共締めによる整備性悪化
装備 スタンド 必須 重量増、ハブ軸共締めによる整備性悪化
装備 ディンプルキーロック シティサイクルを買うなら必須 重量増
装備 ハンドルロックなし 不要、整備性向上、重量減、安全性向上 駐輪時の取り回し?
Nice-to-have ストレートハンドル 慣れている 前傾姿勢による疲労?
Nice-to-have サイドスタンド 慣れている 積載時の安定性
Nice-to-have アルミリム 制動力、軽さ 耐久性
Nice-to-have 鋲が打ってないサドル 見た目が好みではない なし
Nice-to-have 共締めせずにフェンダー/キャリア装着可能 整備性向上 選択肢がない

候補

調べてわかったこと、内装変速の自転車ってすごく減ったね! 昔は外装変速の方が珍しかったと思う。学生がみんな通学でクロスバイクに乗ってるのはこれが遠因か。私が調べた限りだと、内装変速は値段が高いというのが衰退した理由らしい。電動アシストでは未だ主流だけど、そもそも高付加価値シティサイクルというジャンルがほぼ滅びて、電動アシスト自転車へとシフトしたと言うことなのかもしれない。もう非電動アシスト車を1車種しか作っていないパナソニックとかもろにそのパターンだ。メーカーでいうと、店舗のPB以外では丸石が一番広く取り扱われていて、次点がマルキン。マルキンはスポーツサイクルのKhodaabloomやNesto、Thirdbikesと同じホダカのブランド。そのほかはサカモトテクノ、塩野自転車、アサヒサイクルなどが並んでいることが多い。どれも知らないメーカーだった。調べてみると3社とも大阪の企業らしい。かつてのメジャーどころで非電動アシスト車が残っているのは実質ブリヂストンだけと言ってもいい。ミヤタはメリダ傘下でシティサイクルはほとんど終了、少なくとも店頭でみたことはなかった。パナソニックは先述の通り電動アシスト自転車に注力。変わっちゃったねえ。

シティサイクル

値段も装備も保証も似たり寄ったり。強いて言えばトラフィックシティは1キーで2ロックできるから便利だ。

ブリヂストン製自転車について

エブリッジは軽いアルミフレーム、マークローザシリーズはお洒落なデザインが特徴。ブリヂストン、日本のシティサイクルを支える偉大な存在なのだろうけど、なーぜかBBがカップアンドコーン(らしい)なんだよね。別に自分で整備するんでなきゃ関係ないっちゃそうなんだけど、割高だし、なんだかな。

クロスバイク寄り

外装変速で、キャリアもオプションだけど、その分アイレットへの取り付けで整備性が良かったり、26インチのHE規格でタイヤの選択肢が多かったりする。パナレーサーのスポーツ車向けタイヤとか履けるから。

選定結果

近くの店で売ってたシティサイクルを買った。入手性は大事なのだ。クロスバイク寄りの自転車もかなり悩んだけど「思い立ったらすぐ乗れる」ことを重視して今回は選外とした。

所感

受け取って早々に5km以上先にある公園まで自走した。やってみた感想は「行けなくはない、が、行こうとも思い難い」というものだった。平地であるにも関わらず、だ。重い! シティサイクルってこんなに重いんだっけ。走りでも、重量でも。GPSサイコンの数字はおおよそ15km/h前後。高校生の頃はよくシティサイクルで30km/hなんて出していたものだなあ。まあ、早く走る自転車ではないのだから、これでいいのだろう。年齢相応の走りか。そうでなければロードバイクが浮かばれない。リヤブレーキも簡単にロックする。サドルの形も合わない。クランクが短すぎる。でもロードバイクには前カゴ、リアキャリア、スタンド、泥除け、チェーンガード、どれも存在しないのだ。

Posted by squeuei, licensed under CC BY 4.0 except where otherwise noted.